【夜な夜なシネマ】とは?こちらに詳しく説明があります。(クリックで飛びます)
結論から先に言うと、映画ファンは絶対見るべき作品です
【夜な夜なシネマ】の第一回は、1988年のイタリア映画『ニュー・シネマ・パラダイス』です。

あの夜、一本のビデオから始まった
ボクがこの映画を見たのは、まだ20代の頃、友人が借りていたレンタル・ビデオを、観る時間が無いから観て良いよ、と言われたのが理由でした。
イタリア映画か、最近はあまり観なくなったなぁ、そんな事を思いながら鑑賞しました。
幼い子供と老人が、映画を通して心を通わせる、そういう映画だと思って観ていました。
そう、あのラストを観るまでは!
なぜ、この映画は人を泣かせるのか
この映画を見た人は、あのラストに心を打たれたはずです。
ましてや、映画ファンなら、誰もが記憶にないほど号泣した人も多かったはずです。(ミニシアターで見た人の話によると、それはもう大変だったようです。しばらく席を立つ人がいなかったと聞きました)
🎥 映画ファン必見、と言い切れる理由
この映画は、派手な演出も、刺激的な展開もありません。
描かれるのは、ある町、ある映画館、
そして映画と共に育った一人の少年の記憶。
それだけです。
にもかかわらず、なぜこれほどまでに多くの人が涙を流すのか。
理由はひとつ。
この映画は、
「映画を観てきた時間」そのものを思い出させるからです。
初めて映画館に入った日のこと。
スクリーンの光に胸を奪われた瞬間。
隣に誰が座っていたか。
何を感じたか。
観ているうちに、
それらが、静かに、確実に、呼び起こされていきます。
人生のどこで観るかで、涙は変わる
ボクは60を過ぎ、孫もふたりになりました。
すると、また違った意味の作品に見えてくるんです。
それはこの映画が、人生のどこで観るかによって、
涙の意味が変わる映画だから。
だから今夜、あなたにも観てほしい
若い頃に観れば、憧れとして。
年を重ねて観れば、回想として。
そして今観れば、
「自分が映画と共に生きてきた時間」そのものとして……。
どんな映画?
▶︎▶︎▶︎(あらすじ)
イタリアの小さな村を舞台に、映画と共に生きた少年の成長と郷愁を描く物語。
成功した映画監督サルヴァトーレは、故郷から届いた一本の電話で、かつての恩人アルフレードの死を知る。
彼は幼少期を過ごした村と、村唯一の娯楽であった映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」での日々を回想し始める。
少年時代のトトは映画に夢中で、映写技師アルフレードに憧れながら映写室に通い詰める。
やがて二人は友情を育み、トトは映写の技術とともに、人生に必要な知恵や厳しさを教わっていく。
しかしある事故をきっかけに映画館は変化を余儀なくされ、トトの人生も大きく動き出す。
成長し、村を離れたトトは映画の道へ進むが、故郷には戻らぬまま年月が過ぎていく。
アルフレードの死を機に帰郷した彼を待っていたのは、失われた時間と、映画に託された深い愛情だった。
「心が洗われる」とは、まさにこの映画のためにある言葉
この作品は、「映画を観るってどういうこと?」
「何か意味があるのか?」
そんな問いに答えてくれるはずです。
映画には、アクションやホラー、サスペンスにコメディ、多種なジャンルがあります。
しかし、すべての作品の原点は、この映画のラストにある、そう感じます。
とにかく、映画ファンを公言する人は、一度見てほしいんです。
そして、泣いて下さい。
静かな夜に、一人で見て、とことん泣いて下さい。
きっと、その瞬間から、映画に対する思いが変わってくるはずです。
そこまで映画にのめり込んでいない人も、見て泣いて下さい。
きっと、映画の凄さ、素晴らしさを体験できるはずです。
そして、観る前よりも、少しかも知れませんが、きっと映画が好きになるはずです。
ボクはこの映画を観るたびに、「心が洗われる」この言葉が浮かびます。
皆さんにも、ぜひこの体験をして欲しいと思い、第一回作品に取り上げました。
今夜は、
少し部屋を暗くして、スマホは遠ざけて、
映画と一対一で向き合ってみてください。
泣く準備だけは、
しておいたほうがいいと思います。
今宵も、夜は更けていきます……。
【補足】この映画が観られた「場所」と、時代の流れについて
『ニュー・シネマ・パラダイス』が日本で長く愛された背景には、
作品そのものの力に加えて、
それを受け止めるミニシアターという場所の存在がありました。
70年代、日本各地には「名画座」と呼ばれる映画館があり、
映画をじっくり味わう文化がすでに根づいていました。
80年代後半から90年代にかけて、
その精神を引き継ぐようにして、
一部の劇場はミニシアターへと姿を変えていきます。
まず1987〜88年頃、
『バグダッド・カフェ』や『グラン・ブルー』といった作品が登場し、
ミニシアター的な感性が、映画好き以外の層にも静かに浸透し始めました。
続く1990〜94年には、
『髪結いの亭主』『ピアノ・レッスン』『イル・ポスティーノ』など、
感情や人生に寄り添う作品が支持を集め、
大人の観客層や女性層が、ミニシアターに定着していきます。
さらに1994〜96年になると、
『レオン』『スモーク』『トレインスポッティング』といった作品が現れ、
ミニシアターは
若者やカルチャー層をも巻き込みながら、裾野を広げていきました。
『ニュー・シネマ・パラダイス』は、
まさにこの流れの中で、
小さな劇場から口コミで育ち、
世代を超えて共有されていった映画です。
もしあなたが、
かつて名画座だった劇場や、
街の片隅のミニシアターで
この映画を観た記憶を持っているなら——
その体験そのものが、
この作品の感動を、より深いものにしてくれたはずです。



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