『シャレード’79』 【映画が二度おいしくなるパンフレット・ノート】

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パンフレットは“時代の空気”を写す小さなタイムカプセル

どーも、ロッカリアです。

パンフレットって、映画が公開された「あの時代の空気」をそっくり閉じ込めた、小さなタイムカプセルだとボクは思っています。
今ではあまり話題にのぼらなくなったけれど、ページを開くと、当時の温度がふっと戻ってくる、そんな魅力に、あらためて光を当ててみたいんです。

オールドファンの方には懐かしく、若い世代の方にはちょっと新鮮に感じてもらえるように。
手元のコレクションから、映画パンフレットの持つ面白さや価値を、ゆっくり楽しみながら、深掘りしていきたいと思います。

『シャレード’79』ってどんな映画?

▶︎▶︎▶︎(あらすじ)
保険会社に勤める夫と、一歳三カ月の赤ちゃんを育てる若妻ジェニー(ファラ・フォーセット・メジャース)は、クリスマス間近で賑わうニューヨーク、メーシーズ・デパートのオモチャ売り場に来ていた。

そこで、童話作家を志す店員ジェリー(ジェフ・ブリッジス)は、ジェニーの落とし物を届けたことをきっかけに、彼女と親しくなる。夫に愛想が尽きていたジェニーは、ジェリーとすぐに意気投合し、恋に落ちるまでそう時間はかかりませんでした。

夫と別れる決心をしたジェニーは、ジェリーとともに自宅の高級マンションへ向かう。
しかし、帰宅した夫に話をしようとキッチンに入ると、彼はナイフで刺され、すでに殺されていた。
ふたりがマンションに入るところを隣人に見られていたこともあり、このままでは殺人容疑がかかるのは確実だ。
そう判断したジェリーは、自分たちの手で真相を探ろうとするが、第二、第三の殺人が続けて発生し、やがてふたりにも犯人は迫って来ていた……。

クリスマス・ムードに溢れたニューヨークを舞台に、ロマンティック・サスペンスが繰り広げられます。

( ↑ 日本ヘラルド映画 当時の価格、¥250!)

パンフレットを読む事で、映画が二度おいしくなる理由

この映画は、ジェニーを演じるファラ・フォーセット・メジャースあっての作品と言えます。
その証拠に、パンフレットには、これでもかと言うぐらい(笑)ファラの情報が溢れています。

ファラは、テキサスの高校時代から、美人として有名で、高校一年生の学生年鑑には、彼女の写真が掲載されている事もあって、なんと鍵がかけられた状態で保存されていたのです。(当時の話、今は不明です)
そして、テキサス大学の一年になったファラは、1万2000人以上の女子大生の中から、最も美しい10人の一人に選ばれて、その写真はハリウッドに送られたそうです。
すぐに、ハリウッドからオファーが来たそうですが、あんまり欲の無かったファラは、断って学業を全うしました。

ファラ・フォーセットの魅力はここにある

大学を卒業すると、ファラは「マリリン・モンロー以来のセックス・シンボル」と呼ばれ、CMやグラビア、ポスターに引っ張りだこになりました。
シースルーの水着のポスターは、なんと全米で、850万枚も売れたそうです。

このポスター、映画好きなら、若いファンも含めて、きっと一度は目にした事があるんじゃないでしょうか?
と言うのも、『サタデーナイト・フィーバー』(1977)で、主役のトニー(ジョン・トラボルタ)の部屋に、ブルース・リーのポスターと一緒に貼られていのは、映画ファンには有名ですよね。

そんな彼女を一躍スター(この時すでにスターだけどね)に押し上げたのは、何と言ってもテレビ・シリーズの「チャーリーズ・エンジェル」でした。
なんと、当時は視聴率59パーセントと言う、信じられない数字が記録に残っています。

また、こんな逸話もあります。
そのテレビを見ていた、若い女性たちの多くが、美容院で、「ファラ・カット」にしたと言うエピソードもあります。(まるで聖子ちゃんカットの流行のように)

そんな彼女を主役にした、第一作品が、この『シャレード’79』でした。

  • スマートで華麗なタッチのサスペンス。
  • 洒落たラブ・ロマンス。
  • ムードあふれるクリスマスのニューヨーク。
  • ニューヨーク・ファッションに身を包んだファラ。

スタンリー・ドーネン監督、音楽・ヘンリー・マンシーニ、華麗な女優オードリー・ヘプバーンの映画、『シャレード』(1963)に、引け劣らないゴージャスな雰囲気があります。(コミカルな部分も含めて)
タイトルは、原題が『Somebody Killed her husband』=『誰かが彼女の夫を殺した』と言う直訳にするよりも、『シャレード’79』の方が、断然良いですよね。
これは日本の配給会社「東宝」のファインプレーですね。

パンフの構成と当時の批評(渡辺祥子さんのコメント)

舞台となったニューヨークのデパート、メーシーズは実在するデパートです。(名称もそのまま)
映画評論家の渡辺祥子さんは、パンフの中でこう語っています。
クリスマス間近、デパートのオモチャ売り場、店員が童話作家を志望している、ラストもこのデパートのぬいぐるみ倉庫(ハロウィンの時のキャラクターが、いっぱいしまわれている)と言うことから考えて、ファラ・フォーセットを、「おとぎの国のプリンセス」のように、楽しく展開されている、と書かれています。
なるほど、そう言う見方もあったんだ、と感じました。

スタッフや共演者の背景

この映画の監督は、以前にもジェフ・ブリッジスを起用した作品『ラスト・アメリカン・ヒーロー』(1973年)の、ラモント・ジョンソン。
プロデューサーは、三島由紀夫の原作「午後の曳航」を映画化した、マーチン・ポール。
そして、主題歌には人気のシンガーソングライター、ニール・セダカを起用して、ファラの第一回主演作品を盛り上げています。

ファラのお相手、ジェフ・ブリッジスは、若い人でも知っている人が多いんじゃないでしょうか?
「え? だれ?」と思った人。
『アイアンマン』(2008)に出ていた人ですよ。
ほら、髭もじゃで、トニーを裏切って、自分のパワードスーツ、「アイアンモンガー」を作らせ、トニーと対決した、あの人です。

ちょっと驚いた「パンフのネタバレ写真」(笑)

そう思えるのが、まずストーリーの紹介です。
なんと、見開き2ページに、ショートショートのように、びっしりと書き込まれています。
もう一つは、このパンフレットは、特に写真が多く、それを見ているだけで、映画のシーンが蘇って来ます。
ただ、その写真をよく見ると、ナイフを持った犯人が、バッチリ写っているじゃありませんか!
一応ミステリ要素もあるんだから、そこは考えないと……、と言っても、もう昔の話だから、時効ですけどねぇ。

数年ぶりに、このパンフレットを見ましたが、いつ見ても、その映画の事が蘇って来ます。
映画を見て、パンフレットを見る。
これで、映画は二度おいしくなるんです!
皆さんも、パンフを持っていたら、一度ゆっくりと見直して見ましょう。
きっと、新しい発見があるはずです。

本日は、ごちそうさまでした!(つづく)

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