どーも、ロッカリアです。
レンタルビデオ店の棚に並ぶ、無数の映画タイトル。
それが、ビデオテープからDVDに取って代わった数年後、2000年代初めに、ボクは何を借りようかと、レンタル店でウロウロしていた。
やがて、『シャイニング』のタイトルが目に止まった。
確かオンエアを録画したビデオ、あったよなぁ〜、と思って手に取ると、『シャイニング〜テレビ版』のタイトルに、「オヨッ!?」と思った。
テレビ版が作られたことは知っていましたが、まさかDVD、しかも2枚組でレンタルされているとは!
速攻でレジに持って行き、その日にイッキ見を敢行しました。
4時間を有に超えた「シャイニング」を見終わったのは、真夜中もいい頃でした。(アメリカでは、テレビのミニシリーズだったので、長いのは当然でした)
違う! 明らかに、映画とテレビ版では、物語が違うと言っても、大袈裟じゃない!そう思ったのです。

二つの『シャイニング』
ご存知の通り、1980年に公開された映画版『シャイニング』(1980・米)は、スタンリー・キューブリック監督による、モダンホラーの傑作として、映画史に刻まれました。
主演はジャック・ニコルソンは、この作品でも、迫真の演技を見せてくれます。
ところが、意外にも彼の起用が、物議を呼ぶ一つの原因でもありました。
理由は、徐々に精神が崩壊して行く主人公ジャックだが、彼は最初から変に見える(ジャック・ニコルソンの見た目)と言う事がありました。
また、原作者のスティーブン・キングは、この映画に激怒した事、酷評した事は、映画ファンの間では有名な話です。
理由は、原作と全く違い、リスペクトしていないのが原因でした。
事実、原作の物語、趣旨(テーマ)もかなり違っています。
そりゃ、キューブリックにしてみれば、良い題材があれば、自己流に解釈して、キューブリック・ブランドの作品を作りたかったのですから。(これは、『2001年宇宙の旅』に、原作者のアーサー・C・クラークが脚本も担当していた事と関係があると思われます)
そこで、原作者のスティーブン・キングは、このテレビ版「シャイニング」 (1997・米・TV)を、自らの脚本で、映像化しようと考えました。
これは原作者の意地、みたいなものですね。
言い換えれば、自分の小説に誇りを持っていたから、書き換えられたと感じたのかも知れません。
ところが、「シャイニング」のテレビ化の権利を持っていたのが、なんとキューブリックだったのです。
どうにか、映像化したいキングが、キューブリックに打診すると、「いいよ、ボクの映画を批判しないなら、版権を譲るよ」(言い方はボクの妄想)と言ったので、キングは渋々承諾して、テレビ版の製作が実現したのです。
テレビ版はキング自身が“原作に忠実な形”で作り直したもので、家族の絆や人間的ドラマが重視されて作られました。
👦 決定的な違いは、ダニーの「シャイニング」!
映画版では、息子ダニーの“シャイニング”能力は物語の鍵ではあるけれど、視点は主に父ジャックに置かれています。
そのため、彼の恐怖や苦しみが“映像的ホラー”として処理されてしまいがちです。
対してテレビ版は、ダニーの内面や能力にフォーカスが当てられ、彼の感情の動きや家族への愛情が丁寧に描かれます。
つまり、「怖さの中心」が違うのです。
映画は“映像の不安”で怖がらせ、テレビ版は“人間の心の痛み”で怖がらせる、と言う事ができます。
🏨 超常現象の“曖昧さ”と“説明”
キューブリック版の特徴は、何が現実で何が幻なのかが分からないという曖昧さ。
オーバールック・ホテルの怪奇現象も、ジャックの精神崩壊も、観客の想像に委ねられています。
その結果、映画全体が“解釈の余地”を持ち、観るたびに新しい発見があるという魅力を持ちました。
一方のテレビ版は、キングの意向を反映して、怪異や呪いの仕組みをより明確に描いています。
ホテルの過去、死者たちの存在、呪いの因果――すべてが説明される方向にあり、原作小説に近い構成になっています。
キューブリック版は、ステディカムによる長回し、音の使い方、冷たい空間構成が見事で、
「映画とは映像で語るものだ」という信念に満ちています。
無機質で、美しく、どこか人間味のない恐怖。
これが『シャイニング』を“映画史上の傑作”に押し上げました。
テレビ版はより人物中心で、ナレーション的・説明的な演出が多いです。
感情を理解しやすい代わりに、映画のような“観る者を突き放す不安”は薄くなります。
ホラーというよりも、家族の再生と破滅を描いたドラマといった印象です。
そして、ラストも全く違います!
ま、これはネタバレしたく無いので、詳しくは書きませんが、映画版の方は、キューブリックのオリジナル。
一方、テレビ版は、当たり前ですが、小説と同じラスト。
どちらが良いか? と言う疑問はナンセンス。
キューブリックの映画は「観終わったあとに議論が残るタイプ」
一方、テレビ版は「観終わったあとに納得感が残るタイプ」
映画が心に“刺す”なら、テレビ版は心に“寄り添う”。
どちらも“怖さ”の質が違うだけで、どちらが優れている、という話ではありません。
つまり――恐怖は演出者の哲学で変わるのです。
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ここまで読んで頂き、ありがとうございました。




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